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AIについて初めに読むべき本5選

人工知能の世界を要領よく知るために、数学的、技術的なものはなるべく除外して、おすすめの本を5冊紹介する。

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「人工知能のことを知らないと、時代に乗り遅れてしまいそう。しかし、いまさら人工知能のことを知りたくても、情報がいっぱいあり過ぎてどこから入っていけばいいのか・・・」とそういう声もありそうだ。

そこで、人工知能の世界を要領よく知るために、数学的、技術的なものはなるべく除外して、おすすめの本を5冊選んでご紹介したいと思う。

初心者に読みやすい1冊

人工知能初心者がとっつきやすく、スラスラと読めるのが、松尾豊著『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』だ。

著者は東京大学准教授。NHK『人間ってナンだ?超AI入門』という番組で見知っているという人も多いだろう。

この本では「人工知能」という言葉の意味の変遷や、人工知能の「冬の時代」、ディープラーニングの衝撃など、人工知能の概要や問題点をさらっとひととおり眺めることができる。

もちろん、「シンギュラリティ」や「2045年問題」に関しても解説されており、著者自身の見解も披露されている。

「シンギュラリティ」「2045年問題」とは?

出版当時、世界に衝撃を与えたレイ・カーツワイル著『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』。

「シンギュラリティ(技術的特異点)」や「2045年問題」という言葉を世界に広めたベストセラーだ。著者のレイ・カーツワイルは、人工知能界の世界的権威と言われている人物である。

「2045年頃には、人工知能は人間の知能を遙かに超え、華やかしい新しい時代を迎えるだろう」。このような、楽観的な未来を予測している本だ。

この『ポスト・ヒューマン誕生』は、現代の人工知能の世界を知るには、是非押えておきたい1冊だ。しかし、この本は600ページにもなる大著で、初心者には読むのも大変。そこで、『ポスト・ヒューマン誕生』のエッセンスを取り出して250ページ程度に読みやすくしたのが『シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき』だ。

カーツワイルの主張・予測の成否はともかくとして、人工知能の話をする上で話についていけなくならないように、『シンギュラリティは近い』はぜひとも1度は読んでおかなければならない1冊である。

人工知能を悲観的に扱ったベストセラー

「人工知能によって、人類は滅亡する?支配される?」というような、SF映画の世界はやってくるのだろうか。

人工知能の進歩を慎重にするべき、という慎重派の論客としては、ビル・ゲイツや故・ホーキング博士、イーロン・マスクなどが有名だ。

人工知能の話をする上で、人類の未来についての否定的な話題についても、押えておきたい。その代表的なベストセラーの1冊が、ジェイムズ・バラット著『人工知能 人類最悪にして最後の発明』だ。

著者は人工知能の専門家ではなく、Discoveryのドキュメンタリー番組などのテレビ製作者。取材をしていくうちに、「人類は人工知能によって滅亡するのではないか」と思うようになったという。

『タイム誌』の選ぶ「AIによる人類滅亡を論じる重要な識者5人」のうちの一人になったこともある。若干ページ数が多いのだが、これも押えておかなくてはならない1冊だ。

ゲームでの人工知能の急激な進歩はどのように実現したのか

「アルファ碁が人類最強の囲碁棋士に圧倒的な形で勝利した」。その衝撃が世界中を駆けまわったのは2016年のこと。囲碁のように盤面の可能な数が膨大過ぎるゲームでは、人類に勝つのはまだまだ遠い未来の話・・・。

そう思われていた状況でのこの結果に、専門家でも驚いた。おすすめの4冊目は、斉藤康己著『アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか』だ。

この本は主にゲームでの人工知能の進歩の歴史を扱っているが、ゲームを通して、人工知能、特に今もっとも注目されている。ディープラーニングを含めたニューロ技術の概観を眺めることができる。囲碁について詳しく知らない、という人でも読めるように丁寧に書かれた新書だ。

ちょっと理系よりだが、読みやすい1冊

自分は少し理系脳で、上記にあげた本では物足りない、という方におすすめなのが、甘利俊一著『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす』だ。

著者は人工知能の歴史と共に生きてきた世代(1936年生まれ)の甘利俊一氏で、ディープラーニングなどで使われる「確率勾配法」などを最初に考案した(と本文で主張している)人物である。

長年、人工知能の世界で第一線で闘ってきた著者による、一般向けに読みやすく書かれた1冊。ブレークスルーをもたらしたディープラーニングの進歩の流れや仕組みを、時代の息吹とともに知ることができる。

若干の数式は載っているものの、数式を飛ばして読んでも構わない。文系でも大丈夫だ。

まとめ

人工知能のことを知りたいが、本がたくさんあり過ぎてどの本から読んでいいのかわからない。そういう方に、なるべく人工知能の広範な流れ、歴史を概観できるように選んでみた。

変化の激しい時代に、日進月歩の人工知能の知識を習得していきたいところだ。


<参考>

  1. 『ポスト・ヒューマン誕生 コンピュータが人類の知性を超えるとき』(レイ・カーツワイル 著)
  2. 『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす』(甘利俊一 著)
  3. 『人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの』(松尾豊 著)
  4. 『人工知能 人類最悪にして最後の発明』(ジェイムズ・バラット 著)
  5. 『アルファ碁はなぜ人間に勝てたのか』(斉藤康己 著)
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