AI ロボット

既にAIロボットが活躍している分野10選

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少し前までは、AI(人工知能)が導入された業界が話題になった。そのニュースを知った人は「AIがここまで来たのか」と驚いたものである。

しかしこれからは、AIが導入されていない業界がニュースになるだろう。「この業界が世界レベルに達していないのはAIの導入が遅れているからだ」と評されるかもしれない。

すでにAIロボットがすでに活躍している10分野を紹介する。

AI ロボット

農業

スイスのエコロボティクスという会社は、AI農業ロボットを開発した。このAIロボットが行う作業は畑の雑草除去である。

このロボットは、小型のテーブルに車輪がついた外観をしている。さらに2本のアームが装着されていて、それで除草剤をまく。

内蔵カメラが畑の様子を撮影すると、AIが農作物と雑草の違いを判断し、雑草に除草剤を吹きかけ、農作物には吹きかけない。

日本の農業は高齢化が深刻化しているので、つらい作業のひとつである除草が楽になれば若者の参入につながるかもしれない。

製造業

AIロボットの普及が最も進んでいるのは製造業だ。製造業では元々ロボットが多く使われてきた。だからロボットにAIを搭載するだけでAIロボットが普及する。

アメリカのリシンク・ロボティクス(Rethink Robotics)社は、ロボット掃除機ルンバを開発したiRobot社の創業メンバーであるロドニー・ブルーカー(Rodney Brooker)氏がおこした会社だ。

同社の7軸双腕型ロボットは、部品の組付け、物品搬送、部品の取り出し、製品の梱包を担う。部品の組付けでは、0.1ミリの穴に部品を挿入する。

しかしこれだけなら非AIでも対応できる。同社のAIロボットが優れているのは、状況を判断することだ。

非AIロボットに作業をさせるには、「お膳立て」が欠かせない。つまり、決まった場所に部品を置かないと作業できない。

しかしAIロボットなら作業環境を認知して「自分」の動きを調整できる。製造業のAIロボットは、自動化から自律化に進化しつつあるといっていいだろう。

飲食業

飲食業もAIロボットが普及している分野といえる。それは製造業での動きと料理をつくる動きが似ているからだ。製造業で難しい作業ができるAIロボットは、作業方法を変えるだけで料理AIロボットに変身する。

コネクテッドロボティクス社(本社・東京都小金井市)は、「調理をロボットで革新する」というコンセプトで生まれた大学発ベンチャーだ。

これまでたこ焼きロボット「オクトシェフ」や、ソフトクリームロボット「れいかちゃん」などを開発し、すでに実用化されている。

例えばたこ焼きロボットでは、たこ焼きの焼け具合をAIが認識し、ひっくり返すタイミングを測る。

同社は今後、「AIロボットレストラン」をつくりたいと意気込む。

医療

医療で活躍しているAIロボットのひとつに、ソフトバンクのペッパーがある。ペッパーはユーザーによるバージョンアップや仕様変更が可能で、聖路加国際病院はインフォームドコンセントを行う「インフォームドコンセント・アシストfor Pepper」を開発した。

インフォームドコンセントは医療用語で、「医師が患者に診療内容を説明し、患者が同意して治療を受ける」という意味だ。

聖路加国際病院が患者アンケートを行ったところ、医療の不満のうち「医師の説明不足」が多いことがわかった。つまりインフォームドコンセントが十分でないことが判明したのである。

そこでペッパーの対話機能を使って、患者の質問に答えらえるインフォームドコンセント・アシストfor Pepperを開発した。

AIが、患者が発生した音声から情報を抽出し、求められている情報を考えて回答する。

インフォームドコンセント・アシストfor Pepperさらに、患者がどの程度理解したかを判定する。インフォームドコンセント・アシストfor Pepperは「この患者はあまり理解できていない」と判定したら、それを医師に報告する。その患者には、医師が追加で説明する。

物流

物流では、荷物を運ぶAIロボットが活躍している。

自動搬送ロボット「Geek+EVE」は2017年8月に、プロロジスパーク千葉ニュータウンという千葉県印西市の物流施設に導入されている。

Geek+EVEは、掃除ロボット・ルンバを大型にした形をしている。高さ30センチ、直径90センチの円盤型で、底に車輪がついていて自走する。

Geek+EVEは商品棚の下にもぐりこみ、商品棚を持ち上げて必要な場所に運ぶ。Geek+EVEは500キロまで持ち上げることができる。指示を受ければ続けて別の商品棚を運びに行く。

倉庫内には数十台のGeek+EVEが走行するが、そうなると商品棚の配置場所や走行経路を最適化しなければならない。そこでAIが作業の先を読み、最も効率のよい配置や経路を考えて動くのである。

AI自動搬送ロボットのメリットは省力化や効率化だけでなく、間違いをなくせることだ。AIは原則、間違うことがない。

ホテル

サイゲームやアメバTVなどを手掛けるサイバーエージェントは、大阪大学と東急不動産ホールディングスと共同で、ホテルロボットの実証実験を行っている。

この実証実験の目的は、客に受け入れられるホテルロボットの開発である。

ロボットがホテルで作業をすることは、新しい取り組みとして好意的に迎え入れられる一方で、客に威圧感を与えてしまかもしれない。

そこで東急不動産が保有するホテルの廊下とエレベータ前に人型ロボットを置き、客にあいさつしたり話しかけたりさせた。

ロボットがあいさつした客にアンケート調査をしたところ、歓迎する声が多かったという。

AIを使うのは次のステップだ。

ロボットに画像認識ができるAIを搭載し、話しかける客の性別や年齢などの属性を把握させる。AIはさらに、その属性に適した雑談を探し出し、客に話しかける。

サイバーエージェントなどは、AIを活用することで、単なる「ロボット接客」ではなく、「丁寧なおもてなし」を目指すとしている。

警備

2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、警備事業でもAIロボットの開発が進んでいる。

日本ユニシスなど3社1機関は2018年11月、西武鉄道・西武新宿駅構内でAI警備ロボット「ペルセウスボット(Perseusbot)」の実証実験を行った。

ペルセウスボットは円錐形で高さは170センチほど。かなり大柄だ。車輪があって駅構内を自由に走行する。

ペルセウスボットにはAIカメラが搭載されていて、例えばうずくまっている人を発見すると「救護が必要」と判断し、駅員のスマホに連絡を入れる。スマホにはペルセウスボットが撮影した写真も送られてくる。

ペルセウスボットは駅構内の固定監視カメラとも連動していて、より「広い目」を持つことができる。

建設

建設業でAIロボットが活躍するのは当然だ。なぜならロボットは力持ちで、建設現場では常にパワーが必要だからだ。

そして建設現場は繊細な作業が求められる。これもAIが得意とする領域だ。AIならわずかな誤差も見逃さない。

鹿島建設は2017年に、AIロボットを使い、ダム建設のコンクリートの型枠作業を全自動化させた。これまで5人の型枠職人が5時間かけて行っていた作業を、1人のAIロボットオペレーターが3時間で終わらせることができる。

清水建設は、天井ボードを天井に貼り付けるAIロボットを開発した。AIロボットが自分の位置と天井の位置を認識し、天井ボードをピックアップして所定の位置に取り付け、ビス打ちまで行う。

建設業は特に人手不足に悩まされている業界だけに、AIロボットの開発が急務になっている。

接客

株式会社ハタプロ(本社・東京都港区)がつくった手の平サイズのミミズク型AIロボット「ズック(ZUKKU)」は2017年に、ヨドバシカメラや伊勢丹で接客をした。

ズックはネットに接続していて、接客相手の客が目の前に現れると、話しかけたり内蔵カメラで撮影したりして、それらの情報をクラウド上のAIに送信する。

AIは客の属性を把握したうえで、その客が求めそうな家電を「考え」、ネットを経由してズックに知らせる。するとズックがまるで自分で考えたようにおすすめ家電を紹介するのである。

ズックの会話機能はIBMのワトソンを使っている。

そしてズックが優れているのは、客の対応をしながらマーケティングを進めていくことだ。

ズックは「自分」が提案した家電に対する客の反応をデータとして蓄積することができる。

有能な販売員が販売しながらマーケティングするように、AI接客ロボット・ズックも1台2役をこなす。

ai ロボット

観光

基本的な観光案内は、最早「AIで十分ではないか」思えるレベルにまで達している。

大日本印刷などは2018年9月に音声案内サービスができるAI接客ロボットを船橋駅前のインフォメーションセンターに設置した。

このシステムは、小型のコミュニケーションロボットとタッチパネル型ディスプレイで構成されていて、観光客が小型ロボットに話しかけると、ロボットの「口頭」とディスプレイで観光案内する仕組みだ。

非AIの観光案内タッチパネル型ディスプレイの場合、観光客は知りたい内容を探していくことになる。さらにコンピュータのなかに登録した情報しか観光客に提供できない。

一方、こちらのAI接客ロボットは、観光客との会話のなかから要望を探し出して回答する。さらにその情報源は、スタッフが用意したものに加え、地域情報サイトに掲載された内容や、船橋市が発行するチラシなど、多種多様だ。

まとめ~作業やサービスの内容が確実に向上する

さまざまな分野に進出したAIロボットをみると、「AIに仕事を奪われる」という心配が的外れであることがわかるだろう。

AIロボットは人間の作業をフォローする。その結果、作業効率が上がり、顧客へのサービス内容も確実に向上する。

AIを使いこなすことこそ、ライバルとの差別化につながるだろう。


<参考>

  1. AI搭載した雑草除去ロボットが登場…太陽光で自律的に駆動(ROBOTEER)
    https://roboteer-tokyo.com/archives/12881
  2. AIロボットで現場を作業から解放し将来へ備える(ものづくりニュース。)
    https://news.aperza.jp/ai%E3%83%AD%E3%83%9C%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%A7%E7%8F%BE%E5%A0%B4%E3%82%92%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A7%A3%E6%94%BE%E3%81%97%E5%B0%86%E6%9D%A5%E3%81%B8%E5%82%99%E3%81%88%E3%82%8B/
  3. 目標は2020年「ロボットレストラン」開店 THK、コネクテッドがロボット調理サービス提供構想をWRSセミナーで公開(ロボスタ)
    https://robotstart.info/2018/10/22/moriyama_mikata-no62.html
  4. Connected Robotics(コネクテッドロボティクス)
    https://connected-robotics.com/
  5. 患者が抱く医療への不満をAIとロボットで解決!「Pepper Owners Challenge 2018」の最優秀賞は聖路加国際病院とエクスウェア(ロボスタ)
    https://robotstart.info/2018/10/02/poc2018-01.html
  6. AI搭載 自動搬送ロボット GeeK+ EVE(物流倉庫プランナーズ)
    https://www.chuko-matehan.com/logiplanners/products/eve/
  7. プロロジスパーク千葉ニュータウン(プロロジス)
    https://www.prologis.co.jp/portfolio/kanto/chiba-new-town
  8. サイバーエージェントなど、ホテルでAIロボット接客の実証実験(マイナビニュース)
    https://news.mynavi.jp/article/20180419-618675/
  9. サイバーエージェント(サイバーエージェント)
    https://www.cyberagent.co.jp/corporate/group/
  10. 西武新宿駅で警備ロボット「ペルセウスボット」が実証実験中 11月26日から30日まで(ロボスタ)
    https://robotstart.info/2018/11/27/moriyama_mikata-no70.html
  11. 焦点:建設業で導入進む「AIロボ」、25年に雇用3割減も(ロイター)
    https://jp.reuters.com/article/ai-robot-idJPKCN1IM0GB
  12. ZUKKUの特徴を3つの観点から探る。AIロボットによる新しい接客とマーケティングへの拡張(café SANDI)
    https://cafe-sandi.jp/_ct/17174273
  13. AIを活用したロボットによる音声案内サービスの実証実験の第2弾を実施(DNP)
    https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190347_1587.html
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