「メラビアンの法則」というのをご存知だろうか。1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱した概念で、話し手が聞き手に与える影響を数値化したものである。人がコミュニケーションで重視する割合は外見が55%、話し方は38%、話の内容は7%にすぎないという、驚きと共に言い得て妙だと納得してしまう数値かもしれない。
つまり、人に思いが伝わるかは見た目と話し方でほぼ決まってしまうということだ。そこを突破して初めて受け入れてもらえ、話しの内容に耳を傾けてもらえる。これはプレゼンテーションにも言えることで、視覚と聴覚同時に訴えるプレゼンは、印象に強く残るものとなる。そのため、提案のプレゼンテーションを作る際には、ビジュアル的に優れたものを作るだけで、認められる確率がグンと上がると言われている。
ビジュアルのいいプレゼン作りが苦手なために、せっかくの提案が目にとめてもらえず涙を流した人も多いだろう。そんな人達に朗報がある。AIが見やすく工夫され、センスの良いプレゼン資料を作ってくれる時代が来たのである。
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プレゼン資料作成の工程
プレゼン資料の制作時間は平均して5日ほどである。それを通常の業務をしながら行うのは社員にとって大変な負担となる。ましてプレゼン資料の為に仕事が滞ってしまうのは売り上げを伸ばすという仕事の目的からすると本末転倒だ。資料作りは何が大変なのか、その制作工程を見ていこう。
- プレゼンの目的を決める
- 内容の構成を決める(プレゼンの対象者をリサーチして、その人達が魅力的に感じるメリットを上げる。特に数字にて示せるように考える。)
- 数字によるメリットを裏付けるための新たな情報。(過去の情報をもとに、今後の売りあげ予測を立てる)
- これまでに決めて集めて来た情報などをストーリー性がある流れになるように並べていく。
これら5つの工程を経て、プレゼン資料は作成されていく。それぞれの業務にAIが関わることになるのだが、プレゼンの目的は人間が決める必要がある。そのうえで、AIが資料作成のサポートをすることになる。
AIが代替できるプレゼン作成の業務とは
プレゼンの課題に至る原因、その解決策と効果など、スライドを進めていくのにデータを表示して視覚的に印象付けていく必要がある。データ情報を集めるための検索は、キーワードを入力して上がってくる記事をひとつひとつその内容が求めている情報なのかどうか、確認しながら探さなければならないものだった。これは多くの時間を割かなければ出来ない作業だったわけだが、AIの得意分野がまさにこの検索だ。膨大な量の中から瞬時に必要な情報を検索、資料に関係した画像も見つけてくれる。
もうひとつAIが代行できる大きな業務は、最適なデザインの決定などクオリティの高いプレゼンをするのに必要なビジュアル面のこと全て引き受けてくれることである。ディープラーニングによって、AIは膨大なプレゼン資料を学習しこのプレゼン内容ならこの色やレイアウトが最適と提案までしてくれるのだ。ITから子育てなど幅広いジャンルのプレゼン資料を学習し、資料パターン数は1万を超えているという。
プレゼン資料を作ろうとした際、ほとんどのジャンルに対応できると思ってもよい。美的でかつ効果的な資料を作ろうとすると、レイアウトは非常に重要だが、センスに左右されてしまうため苦手な人にとって頭を悩ませられる、かつ時間を取られる部分であった。しかしAIがここを取って代わって行ってくれるのだ。
AI(人工知能)の資料作成の実力とは
AIで資料を作成する場合、画像は瞬時に検索することができ、長い文章も要約できる。そのため資料作成時間の短縮にもなる。すでに新聞社でも導入しているところがあるぐらい優秀だ。
実際にAIと新聞記者が勝負するとまだ人間の記者が勝利することが多い。それはAIが文章をまとめるということが目的になっており、その原因の分析まではできないからだ。しかし、分量で言えば圧倒的にAIの方が多くまとめることができる。文章はAIがまとめたものをそのまま使うことはできないかもしれないが、時間の短縮にはなるはずだ。
また前述したようにレイアウトに悩む人が多いが、最適なレイアウトをAIが提案してくれるため、悩む必要はない。AIであるため、プレゼンのレイアウトは人間よりも学習しているので、人間よりも良いレイアウトになることもある。ただ実際には学習時間が足りないため、まだ手直しが必要なことが多いようだ。
慣れてくれば30分ほどでプレゼン資料が作成できるので、こうしたサービスが増えてくればプレゼン資料作成の負担はかなり削減されるだろう。実際にAIの資料作成技術が上がってくると、9割は作成し終わった段階から、プレゼン資料を作成するということも考えられる。そこまで実力は上がってきているが、前述したように文章やデザインに関してはまだ学習する必要があるものが多いようだ。
Beautiful.AIの紹介
これまでスライド資料をパワーポイントで制作することが多かったかもしれない。プレゼンに熱が入るほど、見た目よく惹きつけるプレゼン資料を作りたいと思うものだ。スライド資料はデザイン的なセンスが必要とされるため、できる人は凝りたくなってかなりな時間を費やすことになったり、センスがないという部分で悩む人もいるだろう。
人工知能を搭載して無料で利用できるスライド制作ツール「Beautiful.AI」はパワーポイントでのスライド資料制作に時間を浪費してしまった人に朗報となるだろう。シンプルな操作ながら、AIが資料の構成や配色を最適化してくれるので、スタイリッシュで見栄えのよいスライド資料を手間暇かけずに作ることができる。
タイトルを入力するだけで、その配置の指定も、フォントのサイズ、カラー、今まで当然自分で決めて制作していた部分を自動的にこれがいいだろうと最適なレイアウトをAIが考えてくれるのである。もちろん設定した後にデザインや色を変更することもでき、背景色を濃い色に変えた場合、文字が読みやすいように黒から白へ自動で変換してくれるなど言わないでも出来上がってくる、かなりできる部下のような働きをしてくれるのである。
スライド資料によくあるグラフチャートも用意されて、棒グラフ・円グラフ・帯グラフなどから選択でき、ワンクリックで変更が可能なのも嬉しい。グラフを増やしたい、もしくは減らしたいなど1枚のスライドに入れるグラフ数を変更したさいにもその配置を見た目よい位置に自動的に直してくれる。
スライドに合わせて簡単なアニメーションを作ることも可能だ。年代別の円グラフが順々に現れたり、棒グラフが勢いよくのびていったり、指示しなくともAIが資料に適したアニメーションを作ってくれるのだ。レイアウトを高いクオリティでしてくれる「Beautiful.AI」に任せれば、大幅な時間短縮となる。その分、プレゼンの中身など一番大事な部分に時間を使うことができるのだ。
まとめ
これまでAIによるプレゼン資料作成について説明してきた。AIであれば、これまでのプレゼン資料を人間以上に学習でき、レイアウトも最適なものを提案できる。さらに文章の要約もできるとなれば、今後、人間よりも優れたプレゼン資料を作成できるようになってくるだろう。資料作成はAIに任せて、資料作成の時間を削減し、どのような内容のプレゼンをするかといった中身を人間が考えるという時代がすぐそこに来ているのかもしれない。
<参考>
- プレゼンを成功させたければ、AI(人工知能)に資料を作らせればいい(エーアイジン)
https://aizine.ai/ai-presentation-181020/
- AIが自動的にプレゼン資料を作ってくれるという最強ツールのご紹介(エーアイジン)
https://aizine.ai/ai-presentation-1106/
- プレゼン資料の構成やデザインをAI(人工知能)がサポート!無料Webツール「Beautiful.AI」の使い方を解説(davinci partners)
https://blog.davinci-partners.com/it/powerpoint/beautiful-ai/
- AIで資料作成する人がプレゼン勝利する(プレジデントオンライン)
https://president.jp/articles/-/26306
- AI記者に生身の記者が勝負を挑んでみた(日経ビジネスオンライン)
https://business.nikkei.com/atcl/opinion/15/221102/020200404/?P=1
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