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進化するチャットボット

チャットボットについて、その意味と近年のブームの説明をする。 また、2つのタイプのチャットボット事例を取り上げてチャットボットの多様さに触れていく。

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チャットボットは、ここ数年で急激に利用が増えていると言われている。2016年から加速的にチャットボットの認知度も増えたりサービスも拡大し、この年は「チャットボット元年」と呼ばれているようだ。

ネット上のニュースでも、いろいろなかわいい人気のあるキャラクターが紹介されたり、中には毒舌を吐くような個性的なものもある。

テレビでも、ある男性の若者がチャットボットの女性キャラクターを本当の恋人のようにして、四六時中会話をしている様子を流していたりする。

各企業も個性的なキャラクターを設定してユーザーとのやり取りを楽しませたり、商品の販売を促進したり・・・。今、面白いチャットボットたちが世間を盛り上げてくれている。そのチャットボット界の活況の様子を、数種の事例を取りあげて見てみよう。

チャットボット活用事例

そもそも「チャットボット」とは何?なぜ今になってブームが起きているの?

英語の「チャット(chat)」とは、「おしゃべり」「雑談」を意味している。また、「ボット(bot)」は「ロボット(Robot)」の短縮形だ。だからチャットボットとは、おしゃべりをするロボットという意味だ。

ただ、私達が想像するロボットというのは、すぐに思いつくのは機械の身体をもったロボットだろう。しかし短縮形の「ボット」の場合は、そういう体を持たない、物理的な実体のないプログラムのことを指すことが多いようだ。

だから、「チャットボット」とは、「おしゃべりをするプログラム」のことを広く呼んでいるようだ。チャットボットを、単にボット(BOT)と呼ぶことも多くなってきている。

しかし、多くの人が経験があるかも知れないが、チャットボットとの会話では「何をわけわからないことを突然!?」という会話をすることがよくあった。それまでの会話の流れを完全に無視していたり、同じことを何度も繰り返したり。チャットボットを実用として使いたいというのは、人工知能(AI)の歴史では初期からの夢でもあったが、なかなか実用的なものを作るのは困難だった。

しかし近年のディープラーニングでの精度向上のブレイクスルーもあり、その手法の改良されたものとして「LSTM」などの文章生成技術も非常に進歩してきた。

不自然な会話をしてきて、あまり使えなかった過去のチャットボットとは違い、近年のチャットボットはかなり自然な会話をできるようになってきている。

このブームの流れに乗り遅れないようにと、各企業もチャットボットの導入を我先にと進めているのだ。

古いチャットボットから、新しいチャットボットへ切り替え

コールセンターの運営などで知られる株式会社ベルシステム24でも、チャットボットの導入を進めている。その目的は、「サイレントカスタマー」というユーザー層が離れていくのをつなぎとめるためということだ。

ユーザーが何かわからないことがあると、ほとんどの人はFAQを参照したりして問題を解決しようとする。ところが、そのうちの3割のユーザーが解決できないそうだ。

しかも、そのサイレントカスタマーたちは解決できなかった不満を抱えたまま、何も言わずに他者に乗り換えをしていくケースも多いようだ。

そこで、チャットボットであれば離れていくサイレントカスタマーをつなぎとめられるのではないかと、期待を寄せているのだ。

チャットボットの種類の一つに、「FAQ型(一問一答型)」チャットボットというのもある。

これは導入も楽にできるのだが、応答が決まりきっていて、少し不便だ。この方法ではユーザーにも読みづらいものとなってしまいがちで、ユーザーをつなぎとめる効果は期待しにくい。

そこで、より高度で柔軟な「対話型」のチャットボットを選んだ。対話型であれば、問題の把握がしにくい場合には聞き返したり、長文でユーザーをうんざりさせることも少なくなる。このような柔軟な会話には、やはり高度なAIの助けが必要になるのだ。

このより高度になった対話型のチャットボットの導入は、電話での問い合わせにも好影響を与えているという。より高度で柔軟な対応が可能なチャットボットへなら誘導をしやすいため、電話での問い合わせ件数も減り始めて業務効率の改善にも役立っているようだ。

ただ、AIによる高度な会話ができるチャットボットを扱うのは、良いことばかりでもないらしい。ある程度のAIへの人手によるチューニングがやはり必要だとしている。

この企業では、これまでの長い顧客対応の蓄積・実績が、このチューニングにも活かされるとしており、それがこの企業独自の武器となっているようだ。

より高度化したAIと、これまでの長い人的資源の組み合わせが、また新しい仕事を生み出しているのだ。

女子高生BOTとの会話を楽しもう

グーグルやアップルにも負けず劣らず、マイクロソフトも優れた新しいチャットボットをいくつも提供する。独自に日本マイクロソフト株式会社が開発している「りんな」というチャットボットも、とても面白いBOTだ。

「りんな」の性格は、「おしゃべり好きな女子高生」という設定で、会話についても、単に問題解決のようなビジネス的な意図ではなく、会話が弾んでいくような応答をしてくれる。

ある意味で、より「賢く」なったように思える「りんな」というチャットボットだが、その中の仕組みもやはり複雑で高度だ。TF-IDFやWord2Vecのような自然言語処理ではお馴染みで、形式的に言葉の単語を分類する技術はもちろん、

“某検索エンジン”と大体同じというランク付けアルゴリズムも取り入れているという。さらにニューラルネットワークの数種の技術(RNNやDSSM)などを組み合わせる。

大抵のAIの自然言語処理は、語彙単位で辞書(内部のデータ)にある言葉を組み合わせて生成することが多いように思うが、「りんな」の場合はより文字を細かくバラバラな状態から文を生成するという。

人間らしい情感をチャットボットに組み込むために、マイクロソフト独自の工夫がされているのだ。「りんな」のような、ビジネスの匂いを感じさせないより人間らしいキャラクターであれば、ユーザーをほっこりさせてくれて、心を和ませる効果も期待できる。このようなタイプのチャットボットの登場は、ちょっと前までは夢でしかなかった。

「りんな」のような、より人間の会話に近いチャットボットの活躍出来る場所は、たくさんありそうだ。

まとめ

ひとえにチャットボットと言っても、いろいろな性格や開発される目的があり、多彩・多種多様だ。その様子は、人間らしい十人十色といった具合だ。

ある業種に特化した仕事をこなすようなチャットボットもいれば、特定の仕事をこなすのではなく、会話によって人の気分を持ち上げてくれるようなものまである。

チャットボット界は今後もさらに活況が続くと思われるし、どんな楽しい個性的なチャットボットが出てきてくれるか、楽しみだ。

もし今までチャットボットに触れる機会がなかったという人にも、あなたの相性に最適なボットが待っているのかも知れない。


<参考>

  1.    2017年6月27日セミナーレポート  (株式会社ベルシステム24)
    https://www.bell24.co.jp/ja/whatsnew/info/events/20170627.html
  2.   「りんな」が言葉を紡ぐ裏には、最新の自然言語処理技術があった (INTERNET Watch)
     https://internet.watch.impress.co.jp/docs/event/759214.html
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