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金融分野でのサイバーセキュリティにおけるAI活用事例 〜海外編〜

フィンテックの解説から、Googleの画像認識システムの紹介からシンプリファイテクノロジーへフィンテックの決済における、お金の動きに着目し、アクロバティックに顔認証システムを主とするフィンテックに話をまとめる。

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最新の経済情報を追っていると、必ず目につくワードがフィンテックである。 しかし、フィンテックが一体何者であるかはどうもはっきりとしないのではないだろうか。その判断は正しいと言える。

フィンテックはファイナンシャルテクノロジー (Financial Technology)という英語であり、それを短縮したワードだ。英語で使用されている段階からフィンテックと称される。定義がこれまで数多にわたって議論されてきた。結論は未だにはっきりとはしていないのだが、もしかなりシンプルに表現をするとしたら、新しいお金の技術である。

数多くの分野にまたがって勢力を拡大しているフィンテックであるから、小難しい単語を並べて定義しようとすると逆に難しくなるものである。大きく捉えると電子マネーによる決済はまさにその代表例だ。さらにはこれも電子マネーに含まれるかもしれないが仮想通貨の分野にも渡っている。その新しいお金の技術(フィンテック)は目を見張る進歩を遂げていて世間を騒がせている。

それだけではない。莫大なお金の動きは、まさに経済活動の動きそのものであり、雇用や消費にすら新しい形を生み出している。最新の決済システムは様々な形で存在しており、ひとつひとつ述べるのは難しい。

ここでは特に馴染みのあるサービスから紹介していこう。

サイバーセキュリティー海外事例

Googleの AI レンズ

Googleが自社提供している Android OS の スマートフォンがあるのをご存知だろうか。

Google Pixel (ピクセルフォン)というシリーズでなぜか日本では未発売だ。 特徴的な機能としてAIすなわち人工知能でコントロールするレンズが発表された。ここでは AI レンズと呼ぼう。コンピュータビジョンによってリアワールド(現実世界)を認識するレンズである。例えば、何の文字も書かれていない写真から情報をだけ抽出し、検出すると言ったレンズである。

AI レンズを風景に向けたとすると、これは花だとか食べ物だとか、また人であるのか、加えてどの人であるのかを抽検出し、認知かつ識別する。

ピクセルフォン自体は未発売なものの、既にGoogleのサービス上で我々もAIレンズを手軽に体験することができるというから驚きだ。

Google の写真共有サービス Google フォトで自分で撮影した写真のフォルダを例えば食べ物と検索すると食べ物の画像が自動的に抽検出される。また人が識別され、写真の一覧の中から 別々の人を認識し A さんの写真一覧、B くんの写真一覧と表示してくれる。

花の写真などほとんど撮ってないはずなのに、Flower と検索した時に写真が何枚も出てきた。よく見ると、学校の掲示板に貼られた折り紙の形やカーテンの模様すら認識していた。どうやら英語の認識の方が開発が進んでいるようで、日本語と英語では検索結果に違いが出る。

Tokyo Food と検索したら東京で食べた食べ物の画像が大量に出てきた。どうせ GPS を使っているんだろう、しかし位置情報をシェアしたかなと少し笑いつつ不安になっていたが、よく見ると明らかに東京でない場所で食べた和食、弁当やラーメンの画像がある。

謎に思い France Food と打ってみたところフランスで食べた時に撮った食べ物の写真だけではなく東京で食べたフランス料理すらFrance Food で認識した。となるとこれは位置情報ではないらしい。完全に食べ物の特徴を把握している。和食を東京にフランス料理をフランスの検索結果としている。

これらの技術の基盤として筆者はシンプリファイテクノロジー(単純化する技術)が応用されているのではと踏んだ。

残念ながら確固たる情報は見つからなかったが、例えば顔のパーツパーツを抽象化したアニメのように、アニメからイラスト、イラストから文字情報へ、最終的にデジタルへと変換が進んでいるのではないか。

簡易化されるお金の動き  

シンプリファイテクノロジーでデジタル化する対象としてあるのに、代金の支払いがある。

オーストラリアの郵便システムを運営している Aus ポストは 請求書 の デジタル化に取り組んでいる。

請求書のバーコードをスマホのアプリケーションでスキャンし、ネットワーク上で決済を完了させるというフィンテックのシステムだ。

すでに中国大陸ではかなりの割合の決済がバーコードで行われているというのはよく聞く話だ。これらはお金の流れをデジタル化することにとどまらず、作業の手間を省き、お金の動きを不鮮明なものから鮮明なものにする手段としても用いられる。

大手の現金集計会社は、流通している現金を有効に利用しつつ今まで現金で行われていた支払いを、現金集計機を通した後にネットワーク上で支払うことで 現金の流れを デジタル化しようとしている。

これもフィンテックの一つと言える。

フィンテックによるデジタル化は、AI(人工知能)による 追跡や解析をすることは 容易とする。シンプリファイされることで、お金の流れは単純化される。

まとめ -人間の画像認証~最も盤石なセキュリティ

デジタル化されたお金を何と表現するかは難しいが、 デジタル通貨と呼ぶとすると、デジタル通貨の普及というのは少々踏み絵のようにも思える。

新しい通貨の爆発的な誕生はこれまでのお金(資本)を再分配しかねない。これは禊のような印象も抱かせる。

アナログ通貨で発生していた問題を再確認し新しいお金の動きを創造するのだ。

一方新しいお金の技術(フィンテック)はデジタルデバイド(情報格差)を縮小するかもしれない。  というのも一部の国地域には、我々が基本的なサービスとして利用している 銀行や決済のインフラが整備されていないということもあるからだ。

新しいお金の技術は新たな動きを生み出し、莫大な投資が必要とされていたインフラの整備が、時代を追いこして一気に最新となる可能性を持っている。

貨幣の誕生は 人類の歴史において大発明とされてきた。貨幣が貝殻から 貴金属へ、進んで紙になってきたように次はデジタルの情報へと変化を遂げている。貨幣はその時代において価値のあるものが選定される。まさに今、情報こそが最も価値のあるものではないだろうか。

ところで昔、日本にカメラが伝来した頃、写真を撮られると魂を抜かれるという迷信があった。魂はおそらく抜かれないであろうが、カメラのレンズから得られる情報を抽検出されるというのは面白い話だ。

情報が最も価値のあるものだとしたら、現在におけるカメラは人の最も価値のあるものを、まさに魂を抜いていると言い換えられよう。カメラから得た顔の情報に紐付けて、フィンテックによるデジタル決済はすでに実現している。

これは最も盤石なセキュリティシステムであり、 市場への流通が急がれる。


<参考>

  1. Google Lens will launch within Assistant on all Pixel phones in the coming weeks(THE VERGE)
    https://www.theverge.com/2017/11/21/16688002/google-lens-ai-assistant-launch-object-recognition-feature
  2. Fintech can address Asia’s inequality(the japan times)
    https://www.japantimes.co.jp/opinion/2018/04/07/commentary/world-commentary/fintech-can-address-asias-inequality/#.WtuuXCnqY0M
  3. AusPost to coax bill payments via smartphone, smart home(itnews)
    https://www.itnews.com.au/news/auspost-to-coax-bill-payments-via-smartphone-smart-home-489159
  4. Coinstar and doxo Announce Partnership to Simplify Paying Bills with Cash(PaymentsJournal)
    http://paymentsjournal.com/coinstar-and-doxo-announce-partnership-to-simplify-paying-bills-with-cash/
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