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画像認識はここまですすんだ!!画像認識の事例③

これまで専門家にしかできなかったことが人工知能を使うことで、誰でも行うことができるようになり、コスト削減になるという事例を紹介する。

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画像認識の分野はディープラーニングを活用することで、進化している。この流れはさらに進み、今後もさまざまな分野で使われることになるはずだ。この記事では画像認識を使った2つの事例を紹介する。人工知能による画像認識を活用したいと考えている方は、この記事を読むことで、どのように活用すればよいか、そのヒントになるだろう。

画像認識

画像認識とは何か。ディープラーニングがどのように使われているのか

画像認識に関してディープラーニングを活用することで、人工知能自らが「特徴量」を見つけ出し、画像認識を行うことができるのはこれまで述べてきた。従来、大量の画像を認識させる必要があったのが、ディープラーニングによって認識させる画像が少なくて済むのが利点である。しかし、正確な判断をするために必要なデータ、「教師データ」が必要である。つまり、人工知能自らが正解を導き出すのではなく、「教師データ」をもとに学習していくのである。こうした「教師データ」を大量に作ることが難しい場合も多いので、ディープラーニングを用いることで、「教師データ」が少ない、認識させる画像も少ない場合に特に有効になるのだ。こうした分野は意外と多くあるので、その分野での活用はますます進んでいくだろう。

目的に合わせて実用化~Google「TensorFlow」

「TensorFlow」はGoogleが開発した人工知能・機械学習向けオープンソースである。人工知能の知識がない人でも実装できるというものではないが、目的に合わせて使うことができるので、汎用性が高いのが特徴である。

1.キューピー
この「TensorFlow」を利用して生産性を高めた例としては、キューピーがあげられる。これまで目視で異物の混入や不良品がないかをチェックしてきたが、これを人工知能に置き換えたのだ。結果として、

「ディープラーニングによる検査システムで大まかに不良品を排除し、取りこぼしを人が目視で確認することで生産性が2倍に高ま」り、また「人が常にチェックし続ける必要がないため、現場の負担軽減にもつながっている」(キユーピー、グーグルの深層学習による原料検査で生産性2倍に)

という。こうした仕組みは多くの工場で導入されることになるだろう。

2. クリーニングハウスレモン
クリーニング店「クリーニングハウスレモン」では、「TensorFlow」を利用して、衣類を自動で認識するシステムを開発している。

衣類をシステムが認識すると自動で料金を表示するという。このシステムを実現するために、約2万5000枚の衣類の画像を学習させ、「衣類の種類によって精度は異なるが、Yシャツやズボンについては99パーセントの識別精度を実現した」(TensorFlowで無人クリーニング店目指す、AI画像解析で衣類を自動判別)

という。この技術を使って、今後は無人店を目指すという。確かに自動で衣類を認識することができるのであれば、無人店も可能であるが、まだ正確な認識ができるところまではいっていないようである。

医療分野で活躍~富士通「Zinrai プラットフォームサービス」

医療分野への人工知能の活用はかなり進んでいる。医療分野は専門的な判断が必要であり、またそのデータも少ない。医師の経験によって、その病気を見つけ出す力量に差があるのは間違いない。こうした経験を人工知能で置き換えることで、医師の経験に寄らず、病気を発見できるようになる可能性があるのだ。例えば、富士通の「Zinrai プラットフォームサービス」の医療分野への活用である。この「Zinrai プラットフォームサービス」は長く開発を続けており、企業の信頼性も高く、日本企業の中で採用している企業は多い。そのため、前述した医療分野でも活用する動きもある。

例えば京都大学大学院医学研究科と協力して腎臓病の診断支援に関する研究をしている。この分野も医師による判断のばらつきがあるため、人工知能を使うことで、そのばらつきを修正するのが目的だ。医療分野においては

「大量の画像に「正解」の位置情報を付与するのにはコストが掛かる」(少ないデータで画像診断 富士通研が医師サポート)

ため、ディープラーニングを活用した画像認識は有用である。

こうした技術は医療分野だけではなく、例えば路面空洞の探査にも活用されている。これまで画像を目視によって判断していたが、「Zinrai」を導入することで、これまで専門家の目視によって空洞判定を行っていたのと比べ、的確に空洞を判断できただけでなく、10分の1の時間で解析できたという。富士通の人工知能は日本の人工知能としてさまざまな分野で注目されているので、今後も注視していく必要があるだろう。

まとめ

人工知能を使った画像認識の事例はこれからも増えてくるはずである。画像認識を使うことで、既存のビジネスはより効率化され、コストカットにもなる。また、これまでの人の負担が軽減されることにもなるのだ。「画像認識は私たちのビジネスには必要ない」と考えるのではなく、皆さんのビジネスの中でどのように画像認識を生かせばよいか、考えていくべきだろう。そうすることで皆さんのビジネスはさらに発展することだろう。


<参考>

  1. キユーピー、グーグルの深層学習による原料検査で生産性2倍に(日経XTECH)
    http://tech.nikkeibp.co.jp/it/atcl/news/17/061401658/
  2. 少ないデータで画像診断 富士通研が医師サポート(日経新聞)
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2957026019042018000000/
  3. 道路陥没を防ぐ川崎地質の路面下空洞探査に富士通のAI 技術を活用(富士通)
    http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/05/15-2.html
  4. 人工知能フレームワーク入門(第1回):人工知能とTensorFlow(さくらのナレッジ)
    https://knowledge.sakura.ad.jp/12871/
  5. TensorFlowで無人クリーニング店目指す、AI画像解析で衣類を自動判別(日経XTECH)
    http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/00746/
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