人工知能を使ってエネルギー分野の電力需要を予想できる!!~最先端の3つの事例~

人工知能をエネルギー分野で活用することで、電力需要を予測することができ、効率的にエネルギーを使うことができる。今回は人工知能を使ったエネルギー需要の予測システムを3つ紹介する。

シェアする

人工知能をエネルギー分野で活用することで、電力需要を予測することができ、効率的にエネルギーを使うことができる。この記事では人工知能をエネルギー分野で活用し、電力需要を予測して、エネルギーを効率的に使う事例について紹介している。


電力の自由化や太陽光発電システムの一般家庭での導入、原子力発電所の事故などを受け、電気を効率よく使うことがより求められるようになった。もし、事前に電力需要が予想できれば、多様な発電方式による電力ネットワークを効率化することができるようになる。また、今後、家庭やコミュニティーで発電する方法が広まってくれば、電力需要を予想するシステムは、電力会社以外でも必要とされるシステムになる。さらに、その予測に基づき、自然エネルギーなどの発電方式と従来の発電方式を効率よく使い分けることも可能になるだろう。この記事では人工知能を使ったエネルギー需要の予測システムを3つ紹介することにする。

事例1:GRID

GRIDは電力に関する広範なデータを収集・蓄積し、人工知能を使って分析している。その分析結果を使って、発電量や消費電力の予測をしている。こうした予測は火力発電所の最適化やバーチャルパワープラントの効率化、消費電力の予測に役立つ。以下、それぞれを詳しく見ていくことにする。

1.火力発電所の最適化

他の発電所と同様、火力発電所にはさまざまな機器があり、データもたくさんある。しかし、どれだけデータがたくさんあっても、それを分析できなければ意味がない。そこで、人工知能を使うことで、その膨大なデータを分析し、火力発電所の運転を最適化することが可能となった。特に火力発電所は燃料を燃焼させることで電力を得る仕組みであるから、燃焼効率を上げることで、運転コストを削減することも可能になる。

2.バーチャルパワープラントの効率化

バーチャルパワープラントとは「多数の小規模な発電所や、電力の需要抑制システムを一つの発電所のようにまとめて制御を行うこと」(人工知能で電力ネットワークを最適化)である。現在、自然エネルギーの活用や、電力の自由化によって、電力の供給面に関しても多様化している。人工知能を使って、様々な発電方式で発電された電力を管理することで、電力の需給バランスを最適化し、電力を安定的に供給でき、さらには省エネにつなげることができる。

3.消費電力量予測

これまでのデータを、人工知能を使って分析することで、今後、どのように消費電力が変化するのか予想できる。消費電力が予想できれば、需給バランスをコントロールし、省エネに結び付けることも可能だ。日本は資源が限られているわけだから、こうした電力エネルギーの効率化は今後、ますます重要になってくるだろう。

事例2:安藤ハザマ

スマートエネルギーシステム(AHSES)は、電力需要を人工知能を使って予想し、太陽光発電などの自然エネルギーと蓄電池に貯められた電力エネルギーを効率よく供給する。そうすることで、電力会社から購入する電力を下げることができ、省エネだけでなく、電力料金の削減もすることができるようになる。これまで太陽光発電は割高であると見られてきたが、「野村総合研究所によると、太陽光発電の発電単価は最大でも13.6円/キロワット時で、2014年度の家庭用電気料金の平均単価25.51円/キロワット時を下回る」(2030年、電力会社がいらなくなる? 「蓄電池の進化」と「太陽光」の未来)  という。

さらに太陽光発電で得られた電力を蓄電池に蓄えることで、夜間でも太陽光発電で得た電力を利用することができる。そのため「今後、蓄電池の価格低下が実現すれば、2030年前後には「太陽光発電と蓄電池を利用した方が、電力会社から電気を買うよりも安い時代が来る」(2030年、電力会社がいらなくなる?「蓄電池の進化」と「太陽光」の未来) と言われている。

こうした技術と人工知能を組み合わせることで、今後、家庭で安く電力を手に入れることができるだろう。

事例3:清水建設

清水建設は中部大学と協力して、電力主要予測システムを開発した。「直近1年分の日々の気象予測データや設備・施設の利用予定データ」を使って、「翌日のピーク電力需要を予測」したところ、「AIによる予測誤差は従来システムから3.6ポイント改善し、5.7%」(ディープラーニングで建物の電力需要を高精度予測)になった。前出した事例2と同様、こうしたシステムは省エネや電力料金削減につながるだろう。

また、清水建設は電力に小売事業にも参入し、再生可能エネルギーの供給や、顧客の電力を購入していくようだ。電力は発電するだけでなく、商品として売るのが一般的になる時代がまもなく来るかもしれない。

まとめ

電力需要を知ることは電力会社だけが必要なことではない。今後、自宅でも発電をする仕組みが普及し、発電した電力を自宅で使用するだけでなく、電力会社に売る仕組みを出てくることだろう。こうした流れの中で、効率よく電力を使用するために、人工知能を使った電力需要システムの開発の流れは進んでいくことだろう。蓄電池の開発と合わせて、注目してみていってほしい。


<参考>

  1. 人工知能で電力ネットワークを最適化
    https://gridpredict.jp/
  2. 安藤ハザマ、機械学習を活用した新たなスマートエネルギーシステムを開発 (マイナビニュース)
    https://news.mynavi.jp/article/20161122-a338/
  3. 清水建設、電力需要予測システム開発(SankeiBiz)
    https://www.sankeibiz.jp/business/news/170211/bsc1702110500004-n1.htm
  4. AI(人工知能)を活用した スマートエネルギーシステム(AHSES)を開発 - スマートな分散型エネルギーシステムの運用を実現 -(安藤ハザマ)
    http://www.ad-hzm.co.jp/info/2016/pre/20161122.html
  5. 独自のシステムを構築し、AIで電力需給と発電を予測・管理 (環境ビジネスオンライン)
    https://www.kankyo-business.jp/column/015297.php
  6. 2030年、電力会社がいらなくなる? 「蓄電池の進化」と「太陽光」の未来 (BIGLOBEニュース)
    https://news.biglobe.ne.jp/economy/0716/jc_170716_9976559386.html
  7. ディープラーニングで建物の電力需要を高精度予測(清水建設)
    https://www.shimz.co.jp/company/about/news-release/2017/2016048.html