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チャットボットの活用事例

チャットボット(機械)に対する思い込みを拭えるように、事例を挙げながら社会に浸透してきたチャットボットの必要性を説く。AI導入に踏み切れないようなビジネスマンを後押しする。

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最近、面白いチャットボットがよくニュースなどに取り上げられるようになり、巷を賑わせている。

チャットボットは単なるおしゃべりをするボット(プログラム)というだけでなく、販売促進や接客など、実務でもチャットボットは使えることが次々に実証されてきている、といってもいいだろう。

ここでは、ここ何年かで急激に進歩したチャットボットの実際に導入され使われている事例を取り上げて、チャットボットが今どれだけ勢いのある技術なのかを説明してみたい。

チャットボット

コンピュータに対する思い込みを変える時代へ

チャットボットとは、平たく言えば「おしゃべりプログラム」のことだ。あなたの発話に、コンピュータのプログラムが自動で答えてくれる。

古くは「マルコフ連鎖」などの、比較的単純な確率手法でオウム返し風の会話をするものが多かったが(現在でも、このタイプのチャットボットは大活躍してはいるが)、ここ数年では高度に知的なAIを搭載したチャットボットも増えてきた。一般的に、機械やコンピュータには個性や人間らしさなどはなく、何か1つの”正しい答え”のようなものしか出せないというような思い込みを持っている人が多いかも知れない。

しかし、この数年のチャットボットの多種多様さの広がりを見る限り、それは杞憂のように見えてくる。人工知能といえども、それぞれの目的や状況に応じて、個性を持っているのだ。

ビジネスにチャットボットを導入するにも、それぞれの企業の導入目的や社風の表現に合わせて、自由で個性的なチャットボットが多様に展開され始めているのだ。

もしあなたがコンピュータに対して「個性がないはずだ」というような思い込みをまだ持っているのなら、個性的なチャットボットの事例を見てみると、その見方は変わってしまうのかも知れない。

イメージを変えたい、という思いにも答えるチャットボット

少し前に、テレビのニュースでも取り上げられた面白い「的確な答え」「神回答」を返してくれたチャットボットがある。

横浜市資源循環局などが開発したという、ごみの分別について案内するチャットボットだ。

ごみの分別は確かに面倒だ。調べればいいのだが、長く固いお役所の文章を読むのも、ちょっと面倒。特に、子供や年配の方も優しく受け入れて、わかりやすく理解してもらえる方法が良い。

電話で対応することも可能だが、お金もかかるし・・・。こういう時には、楽しく会話しながら優しく応対してくれるチャットボットがいてくれたら、ユーザーはもちろん、サービス提供者にしても、とても助かるだろう。

横浜市資源循環局の「イーオくん」は、雑談もできるユーザーフレンドリーなチャットボットだ。会話に「〜だよ。」「〜してね。」などの語尾が付けられて、会話相手も親しみやすい。何よりも良いのは、会話をすることで相手の頭の中のモヤモヤしたものが段々はっきりしてきて、何をどうしたかったのかを自分で気付けるところだ。例えば、「CD」を捨てたいにしても、プラスチック部分や紙で捨て方が細かく違う。イーオくんはあくまでプログラムに過ぎないが、ユーザーの聞きたいことに合わせて答えてくれるのだ。

一昔前であれば、無機質、機械的なイメージのコンピュータがこのような柔軟な対応をするのは難しかったが、今ではできるようになってきた。

さらに、ユーモアさえも理解できているのかも知れない。イーオくんに捨てたいものを聞かれ、「旦那」と入力してみたら・・・。

イーオくんは、実証実験段階を終え、2018年4月から本格実施されている(*3)。

無機質なイメージを超えたチャットボットが、ごみの分別に対する「面倒くさい」や「わかりにくい」というイメージを変えたいという資源循環局の願いとマッチしたのが、この事例だ。

どこかの別の星からやってきたという(設定の)イーオくんは、その企業や法人のイメージをよくしてくれるし、面白いボットなら宣伝効果だって大きい。

チャットボットを導入する企業が増えている理由は、チャットボットのメリットが一つではなく、いくつもあるからだろう。

あなたのお悩み、解決します

Q&Aサイト「OKWAVE」は、「あなたのお悩みを解決」するAIチャットボットを提供する。

OKWAVEに蓄積された、膨大な量のQ&Aのデータを学習したAI、「KONAN」がパワーアップし、AIエージェント「あい」として、ユーザーの相談にのってくれる。

「あい」がどのようにパワーアップしたのかというと、感情や意味の理解ができ(るように見え)、会話での聞き返しもできるようになったということだ。

「あい」は、いくつかの分野に特化した会話をするチャットボットのようだ。例えば、仮想通貨の投資に関する提案をしてくれたり、プリンターなどのトラブル相談にものってくれる。さらには、美容・健康に関する相談もできる。

このように、近年のAIには得意分野を追加していけるようにもなってきたようだ。以前であれば、一部の修正をするために最初からデータ読み込みをやり直すなどの大きな手間がかかっていたところだろう。

長年の業務データを、多数のオペレーター・人間に教育しても、覚えるには限界がある。もちろん、教育費用だってバカにならない。

しかし、あいのようなAIであれば、膨大なデータを活かすことができるのだ。その企業が持つ固有の知的財産を、存分に活かすことができるのだ。

まとめ

企業が長年積み上げてきた知識を、なかなか成果として活かせていない、という悩みを持つビジネスマンも、いるだろう。

ここであげた「あい」のように、その悩みを解消してくれるAIもいる。また、イーオくんのように法人の個性やイメージを変えてくれるAIだっている。

チャットボット、コンピュータAIが「ある」のか「いる」のかは別として、人や社会の問題解決に向けて優しく導いてくれる存在に、チャットボットはなってきている。

人間のそれぞれの個性に寄り添い、従来の機械的・無機質的なイメージとは対照的な、柔らかい会話もできるようになってきたAIチャットボットの導入事例は、さらにもっと増えていきそうだ。


<参考>

  1. 「旦那を捨てたいんですけど…」 横浜市のごみ分別ボットの答えが的確すぎるhttps://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/yokohama-trash-bot?utm_term=.qgdDWkV54#.wkWePwVn9
  2. 「旦那捨てたい」に神回答 横浜市のごみ分別AIがまるで人生相談 – withnews(ウィズニュース)
    https://withnews.jp/article/f0170816003qq000000000000000W06910101qq000015743A
  3.  横浜市 資源循環局 NTTドコモ×横浜市共同実証実験 “チャットボット”を活用した「イーオのごみ分別案内」を公開
    http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-shimin/study-event/chatbot.html
  4. プレスリリース/ニュース | ページ 20170905 | 株式会社オウケイウェイヴ
    https://www.okwave.co.jp/home/press/20170905/
  5. OKWAVEのAI「あい」が悩みに最適な回答をご提案! | OKWAVE AI
    Knowledge
    https://okwave.jp/ai/c244
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