AI(人工知能)-婚活

AIが婚活を成功させる【恋のキューピッドはAIに任せろ】

AI(人工知能)がついに婚活業界に進出した。最先端のコンピュータ技術は、どのようにして結婚したい男女を結びつける愛のキューピッドになったのだろうか。

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結婚は人と人とのつながりだ。しかもそのつながりには、「仕事」や「お金(年収)」といった確かな要素だけでなく、「愛」という不確かな要素が必要だ。

だから「仕事」と「お金」だけで強いつながりを築くことができるビジネスに比べると、結婚のつながりを成立させるには複雑かつ困難な過程が必要になる。

結婚が複雑かつ困難になったことで、次の2つの事象が生まれた。

・結婚したいのに結婚をあきらめたり後回しにしたりするようになった

・結婚を支援する婚活ビジネスが誕生した

そしていま婚活支援業界は、AI(人工知能)に注目している。確かにAIは複雑さや困難さを解決することが得意だが、最先端のコンピュータ技術は、一体どのようにして愛のキューピッドのスキルを獲得するのだろうか。

婚活業界が抱える課題をみながら、AIによる婚活ソリューションを紹介する。

AI(人工知能)-婚活

婚活業界が抱えている課題

婚活業界は多くの課題を抱えている。それは結婚適齢期に差し掛かっている人たちが、結婚したいのに結婚できない理由を多く抱えているからだ。

潜在顧客は多いが顧客をつかみづらい

明治安田生命福祉研究所によると、「恋人がいる」未婚20代男性は5人に1人にすぎず、「交際経験なし」の未婚20代男性は4割に達する。

その一方で、未婚20代男性の7割は「結婚したい」と考えている。未婚20代女性にいたっては、8割が「結婚したい」と考えている。

ところが、男女とも未婚30代の3人に1人が「いずれ結婚したい」と考えている。「いずれ」とは、消極的ではないが積極的でもない、あやふやな気持ちだ。

つまり婚活業界の課題とは、婚活希望者は多いのでビジネスチャンスは広がっているのに、婚活への気持ちがあやふやなのでビジネスにつなげにくいことだ。

女性の6割が年収400万円以上を求めるがそれは「無理な注目」

婚活業界のビジネスの難しさはまだある。

結婚したいと考えている男性は消極的で、結婚したいと考えている女性はシビアなのだ。

同じ調査では、未婚30代男性の3人に1人が「女性と話すのが苦手」と答えている。

一方で女性は、結婚相手に行動力、決断力、経済力、男性の親と同居しなくてよい、といったことを求めている。

経済力でいえば、20代未婚女性の57%、30代未婚女性の66%が、「結婚相手の年収の理想は400万円以上」と答えているが、未婚男性で年収400万円以上に達しているのは、20代で12%、30代で27%にすぎない。

女性の高望みと男性の実力不足という、決してマッチングしない状況になっているのだ。

昔ながらの見合い制度は、結婚したい男女を引き合わせて、妥協点を探して結びつけてきた。これは、「100%理想とおりの相手と結婚することはできない」という大前提から結婚を考える「先人たちの知恵」から生まれた賢い仕組みといえる。

見合い制度が成立したのは、「高望みを捨てる」というルールがあったからだ。

しかし現代の婚活ビジネスでは、女性が苦手な男性と、男性に求めすぎている女性をマッチングさせなければ成立しないのである。

これは相当の難事業である。そこで婚活支援会社はAIの手を借りようと考えたわけである。

婚活ビジネスが抱える課題

AIがどのように課題を解決するのか

AIがなぜ婚活に使えるのかというと、AIは莫大なデータのなかから一定の法則をみつけることが得意だからだ。

結婚にたどり着くかどうかは、最終的には男女双方の感情によるところが大きいが、そこに至るまではむしろ「条件」が重要になる。

しかも、現代の結婚適齢期の人たちは提示する条件が多岐にわたるだけでなく、「条件に合致しなければ結婚しなくてもよい」という態度でいる。

そのため婚活支援企業は、顧客の条件を1つでも多くクリアできる相手を探さなければならない。

AIを使えば、全登録者の詳細な個人情報が入っているデータベースのなかから、特定の顧客の「好みという法則」をみつけだすことができる。

そこで、AI開発の株式会社フロンテオが開発した婚活支援AI「KIBIT(キビット)」と、婚活事業の株式会社IBJが開発したAI婚活パーティー支援ロボットを紹介する。

【事例1】KIBIT(キビット)

キビットは、婚活支援企業が使うAIだ。

キビットの概要をみる前に、一般的な婚活支援会社の担当者の基本動作をみておこう。

・登録者から好みの異性像を聞き出し、異性のデータベースのなかから好みに合致しそうな人を探す。

・好みに合致しそうな人のデータを登録者に披露し、登録者が気に入れば面談に進める。

・男女双方が面談を希望すれば「お見合い」やデートをセッティングする。

・付き合いが継続できるようにアシストして、結婚を目指す。

キビットのAIが活躍するのは、上記のうち「登録者から好みの異性像を聞き出し、異性のデータベースのなかから好みに合致しそうな人を探す」過程だ。

例えば年収や学歴、身長などの条件であれば、AIを使わなくても通常のデータベースソフトで検索できる。しかしベテランのスタッフは客観データ以外の情報を駆使して、相性のよい相手を探そうとする。そのためには男女をマッチングさせるには、登録者情報を暗記しておかなければならないし、男女のマッチングの勘所(かんどころ)といったようなスキルを身につけなければならない。

キビットは登録者情報の暗記とマッチングスキルを身につけた。仕組みはこうだ。

登録者情報の暗記はコンピュータなので得意中の得意だ。

キビットはマッチングスキルを過去の成婚データや失敗データを学ぶことで身につける。例えば男女双方が、相手に求める条件が異なっていたにも関わらず、結婚が成立することがある。逆に、男女ともに相手に求める条件を備えていたにも関わらず、付き合った結果、結婚に至らないこともある。

人はこれを「人情の機微」で片付けてしまうが、AIは成婚事例と失敗事例のなかから法則をみつけ出そうとする。

AIに成婚データと失敗データを読み込ませると、人間が気がつかなかった成婚ポイントまたは失敗ポイントをみつける。

キビットに、ある女性登録者の情報を読み込ませると、キビットは過去の女性成婚者のなかから、女性登録者に似た性質の人を探す。

そして女性成約者の相手男性に似たタイプを、現在の男性登録者のなかから探し、マッチング度を0~10,000点で評価する。

婚活支援会社の担当者は点数の高い男性から女性登録者に紹介していく。

まとめるとこうなる。

女性登録者 女性登録者に似たタイプの女性成婚者を探す 女性成婚者の相手男性のタイプを分析する 相手男性に似たタイプの男性登録者を点数化する 点数が高い男性登録者を女性登録者に紹介する

キビットの実力は証明されていて、キビットに成婚した男性の登録データを読み込ませて相手を選ばせたところ、実際にその男性が結婚した女性を上位20%以内に入れる確率が、ベテランスタッフが自力で選別するときより1.5~2.5倍高まった。

婚活支援AI「キビット」を開発した株式会社フロンテオは、AI開発が専門であり婚活ビジネスとは関係のない会社だ。

そのフロンテオがタッグを組んだのは、婚活支援サービスの株式会社パートナーエージェントだ。

フロンテオのビジネスモデルは、パートナーエージェントが持つ婚活中の男女のデータを使ってキビットの結婚相手候補探しスキルを向上させることだ。フロンテオはキビットの精度を高めることで、婚活ビジネスに乗り出す。

キビットは元々、訴訟のときの証拠探し技術として開発された。膨大な情報のなかから勝訴につながる証拠を探し出す能力を、膨大の異性情報のなかから成婚につながる特性を探し出すことに使ったわけだ。

一方、パートナーエージェント側は、AI婚活支援を業界内で先駆けて提供できるメリットがある。

【事例2】IBJ

株式会社IBJが開発したAI婚活パーティー支援ロボット「Sota(ソータ)」は、キビットと比べるとかなりライトな内容だ。

ソータは手のひらサイズの人型の小型ロボットで、話すことができるから、婚活パーティーで参加者たちの受付や会場への案内、パーティー内容の説明などの仕事をこなす。

AIを搭載しているのでパーティー参加者とちょっとした会話をすることができまる。

ロボットが婚活パーティー会場で出迎えることで、ナーバスになっている参加者の気持ちをほぐす狙いだ。

まとめ~人の心に関する仕事にも使えることを証明した

AIはITやコンピュータの発展した形だ。コンピュータは常に「0か1か」の冷酷な判断を下す。コンピュータには「しょうがないから少しは認める」という判断基準はなく、「認める」か「認めない」しかない。

「0か1か」の選択はAIも同じなのだが、AIはこれまでのコンピュータとは比べものにならないくらい詳細に「0か1か」の判断をする。また、人が、AIが下した判断にNGを出すと、AIはめげることなく正しい判断をしようと再び「考え」始める。

したがって人の目には、AIが「しょうがないから少しは認める」という判断を下したかのようにみえる。

AIのこの能力は、婚活支援にはうってつけだったようだ。婚活支援ビジネスでは、顧客のわがままにしっかり付き合わなければならない。わがままとは、選択肢を狭めることにほかならないが、AIは、どれだけ条件が絞り込まれても最適解を探し続ける。そのAIの一生懸命さも、婚活支援ビジネスには向いている。

<関連記事>
AIで「なくなる仕事」を知れば「価値ある仕事」がみえてくる


<参考>

  1. 特集 婚活のゆくえ 実態とトラブル(国民生活センター)
    http://www.kokusen.go.jp/wko/pdf/wko-201410_01.pdf
  2. 婚活もAIにお任せ ゴールイン例分析し「運命の人」(日本経済新聞)
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31213860R30C18A5X30000/
  3. 人工知能「KIBIT」の生い立ち(フロンテオ)
    http://www.fronteo.com/kibit/
  4. 婚活業界に革新を。IBJは人工知能(AI)を婚活サービスへ導入。(IBJ)
    https://www.ibjapan.jp/information/2018/01/ai.html
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